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キスをして
第12章 律香と誠司
休日明けの発注書の束は見るだけで毒だ。
昼に食べたカップラーメン位では22時になるこの時間には持つはずもなかった。
帰りは終電に間に合うか微妙だ。
終電時間に近くなれば誠司から着信が入る筈だから帰りの心配はないが忙しいからと最近は家に着いた後でも作業を再開する事がある。
手を止めさせてしまうのは申し訳ないと伝えはしたが彼が納得する筈はなかった。
「ん-···真木君コレ····」
ついさっきまでまだ皆居たと思ったのに気付けば事務所に誰もいない。
「あれ?」
辺りを見回すと休憩所から微かに声が聞こえて人の気配を感じる。
「一人なのかと思った」
印刷物を作業台の上に置き真木君を呼びに行く。
「黒沢さん···俺もうやっぱり言う」
「やめた方がいいですよ」
「いつまで黙っとけば良いんだよぉ」
「二人が話し合うまでじゃないですか」
「それっていつ!?あの男言わなさそうだったよ!?」
本当に何だってこんな面倒な相手に会話聞かれてるんだよあの人は。
日下さんがいつまでも真面目に俺の言うことを聞いてくれるような気はしない。
だから早く言えとあれほど··あれほど!!
あのボケ!!!
とは、流石に言えないから言わねぇけど!!
「りっちゃんスイス行くのかな」
「知りませんよ」
「え!···間宮さん辞めるんですか!?」
「真木··」
「いや分からないけど小塚さんが「日下さん」
「何ですか?教えてくださいよ」
こいつもしつこいんだよな。
こんな事になるなら休憩するんじゃなかった。
「小塚さんスイス戻るんですか!?」
「おい。日下」
「····マジで怒んないでよ。俺もう限界なんだよ。分け合おうよ」
「ってことは間宮さん知らないんですか?マズくないっすか?」
昼に食べたカップラーメン位では22時になるこの時間には持つはずもなかった。
帰りは終電に間に合うか微妙だ。
終電時間に近くなれば誠司から着信が入る筈だから帰りの心配はないが忙しいからと最近は家に着いた後でも作業を再開する事がある。
手を止めさせてしまうのは申し訳ないと伝えはしたが彼が納得する筈はなかった。
「ん-···真木君コレ····」
ついさっきまでまだ皆居たと思ったのに気付けば事務所に誰もいない。
「あれ?」
辺りを見回すと休憩所から微かに声が聞こえて人の気配を感じる。
「一人なのかと思った」
印刷物を作業台の上に置き真木君を呼びに行く。
「黒沢さん···俺もうやっぱり言う」
「やめた方がいいですよ」
「いつまで黙っとけば良いんだよぉ」
「二人が話し合うまでじゃないですか」
「それっていつ!?あの男言わなさそうだったよ!?」
本当に何だってこんな面倒な相手に会話聞かれてるんだよあの人は。
日下さんがいつまでも真面目に俺の言うことを聞いてくれるような気はしない。
だから早く言えとあれほど··あれほど!!
あのボケ!!!
とは、流石に言えないから言わねぇけど!!
「りっちゃんスイス行くのかな」
「知りませんよ」
「え!···間宮さん辞めるんですか!?」
「真木··」
「いや分からないけど小塚さんが「日下さん」
「何ですか?教えてくださいよ」
こいつもしつこいんだよな。
こんな事になるなら休憩するんじゃなかった。
「小塚さんスイス戻るんですか!?」
「おい。日下」
「····マジで怒んないでよ。俺もう限界なんだよ。分け合おうよ」
「ってことは間宮さん知らないんですか?マズくないっすか?」