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キスをして
第13章 律香の本懐
毎日毎日郵便配達の人が見えたら郵便受けまで降りていく。
そんな生活をして半年···。
前よりは自信が付いた。でも実力が足りていないのかもしれない。

「もう一度送り直すべきかな」

自分のしたいことを見失いそうになる不安から焦りだけが募っていく。

この仕事が終わったら自分の事に時間を作ろうと何度も決心して何度も打ち消す。
黒沢さんには絶対に言いたくない後ろ向きな事。

唯一の理解者は橘さんだけ。
彼は私にとって相談相手であり、よき理解者。

「あと一週間か···」

板に着いた独り言に一人であることを実感して寂しくもあり、笑いさえ誘う。

私が欲しいのはたった一つのエアメールのみだ。

一週間後に控えた黒沢さんの結婚式。

それまでには落ち着きたかったがそうはいかなかった。

不安
焦り
後悔
毎日毎日毎日毎時間毎分毎秒·····
ずっとずっと悔しい

「なんで···なんで追い付けないのっ」

奥から込み上げてくるこの感情を潰して誤魔化して何でもないよって···─

仕事は好き
辞めたくない
でも、
でも、
同じくらい。
あの頃よりも私は───

「·····─ぃ、会いたいよ···」

もう2年以上経つのにいつまでも引き摺って馬鹿みたいにかもしれない。
それでも私は

『誠司が好きなんだ···』

泣いてどうするの?
自分で選んだでしょ?

自分で分かってるのに
言い聞かせてるのに

会いたい
本当は今すぐ行きたい
傍に居られなくてもいい

矛盾ばかりの自分に嫌気が指す。

「···馬鹿だねって笑ってよ」
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