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キスをして
第4章 間宮の受難
あの夜気付いた時にはもう3時を過ぎていて『泊まる?』と聞かれたが隣のアパートだからと部屋に戻った。

「また来て下さいね。待ってます」

「早々何回も来ませんよ」

「来ますよ。間宮さんは絶対僕に会いたくなります」

すごい自信。
私はそんな自分から同じ失敗するタイプじゃないわよ。

と鼻で笑ったのが金曜の深夜。

そして今会いたいと思っている月曜日。

うん。
会社に来て気付いたよね。
社員証がない。

どうせコンビニと出勤用のジャケットで出掛けた事をひたすらに後悔している。

また笑ってるんだろうな。
私のバカ~………。

「はぁぁぁぁぁぁっ」

おかげで仕事が進まない。
至急の仕事は済ませてあるからそこまで焦ってはいないけど。

連日社員証忘れたなんて通らない。
人に取られたなんて言えないし。
今日は早く帰ってまだ作業時間の最中に行こう。そうすれば捕まらない。

「間宮悪い、アマベさん納期明日にしてくれって」

……………橘さんのせいじゃないけどね。涙出そう。
――最低。

「あ、橘さんが間宮さん沈めた」

「俺なんかした?」
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