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キスをして
第4章 間宮の受難
仕方ない最終手段だ。納期が早まったのは3枚。時刻は15時半残りは1時間半‥無理か?
否!!
終わらせる!!

イヤホンを装着しスマホのボリュームをマックスに流すのは――。

「りっちゃんなんで集中するときロックなのかな…」

「ハードだな」

「間宮さん見た目は可愛いんですけどね。」

――――――

「終わったぁ」

予定より少し遅れたが何とか17時半にはねじ込めた。

「間宮さんもう上がりですか?」

「ちょっと用事あるんだよね。でも何かあったら電話しても大丈夫だから」

「分かりました」

「よろしくね眞木君」

早く上がってもクライアントが営業中であれば電話は幾らでも掛かってくる。
施工があれば夜中だって掛かることはある。そういう時は大抵ミスがあった時だけど。

満員電車に揺られながら今日こそはサッと逃げようとイメトレを繰り返す。

「間宮さんちょっと待ってて下さいね」

満面の営業スマイルで接客をする小塚さんに出鼻を早速挫かれてしまった。
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