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キスをして
第4章 間宮の受難
お互いに着替えてアパートの下で待ち合わせをする。

『間宮さんは脚が綺麗だからミニスカートかパンツが良いな』と軽く言われて時間を急かされたために気付かなかった。

ロングスカートが本当はご所望だった。
冷静に考えたらパターン的にそうだろう事は分かったはずなのに!

余裕ないな私。何でロングスカートなんか穿いちゃうかな私!

嬉しそうな顔でキラキラと目を輝かせ私を見る小塚さんを見ないように顔を背ける。

「何が食べたいですか?」

「………スパイシーな感じ」

「タンドリーチキン好きですか?」

「好きっ」

「……。じゃあ美味しい店知ってます」

ん?今冷めた目で見られたような‥。

その店は駅周辺らしく二人で並んで歩く。
小塚さんがすれ違う度振り返る女性達、まぁ見ちゃうよね。
私も初めは見とれちゃった記憶がある。

今や困った男だけど。

「ここですよ」

連れて行かれたのはビストロみたいなお洒落なお店だった。

2人でグラスビールから始まりボトルワインを飲みながら料理を食べていく。
会話が途切れないように小塚さんは色んな話をしてくれて私の話を黙って聞いてくれる。

「そう言えば社員証にJデザインって書いてありましたけどデザイン会社なんですか?」

「広告デザインです。チラシとかPOPとかポスターとか」

「夜遅くまでしてるんですね」

「私は早い方ですよ。皆徹夜してる事多いから」

「先週も?」

「先週は急に立て込んでしまって」

小塚さんが急に脱力して深く息を吐いた。
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