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キスをして
第4章 間宮の受難
店を出たときにはもう1時になろうかとしているうえに眞木君は強めの酒と泣いたお陰でまともに歩けていない。

「眞木君家どこ?」

「俺男運ないんですかねぇ」

酔ってて会話になってないし。若干呂律回ってないし。

眞木君にはあまりお酒飲ませないと今日から誓うわ。

「俺タクシー乗っても多分寝る」

眞木君ゲイだし大丈夫か…

「じゃあ家来る?」

黙って頷く眞木君をタクシーに押し込みアパートまで送ってもらった。
その間ぽろぽろと泣き続ける眞木君に若干引かれたのは言うまでもない。

「着いたよ」

眞木君をタクシーから引きずり出し階段を昇る。
昇っ‥「少しは昇る努力をしなさいっ」

早まったかも。私より10センチは高い身長の男を2階まで上げるのは無謀な気がする。
かと言って担いだ状態で立ち往生してるわけもいかない。

申し訳ないが橘さんに連絡して助っ人を頼もう。

担いだままバックのスマホを探す。

「何やってるんですか」

不機嫌で呆れた物言いだけどこの声は

「小塚さん‥なぜ」

どうしよう。すごく苛ついていそうなこの人が救世主に見える。
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