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キスをして
第4章 間宮の受難
「狭いから暴れないで下さいね」

私を後ろから抱き留めて動くなとは困った事言うのね。

折角浚われていった熱がまた戻ってきそうで嫌なのに‥
そんな考えが過ぎるだけでも身体が疼き出す。この人はまるで媚薬みたい。
私は簡単に流された事なんてないのに。

「何もしませんから力抜いて下さい」

力を抜けと言われても私が勝手に妙な気分になってしまっていて抑えるのに力が入ってしまう。
一向に力が抜けない私にしびれを切らしたのか体を起こして溜め息を吐かれてしまった。

「あの、意識されると僕まで意識してしまうんです」

「ごめんなさい」

「こっちは我慢してるんですから少しは協力して下さい。いつまでも意識してると抱きますよ」

それは困ると必死に首を振るとちょっとムッとして部屋を出ていった。
暫くすると一本の瓶を持って戻ってきた。
小塚さんは机の前に座り気怠そうに瓶を机に置いた。

「僕に抱かれたいなら今すぐ抱きます。抱かれたくないけど眠る手伝いが欲しいなら僕はこれを呑みます。どちらが良いですか?」

何を言い出すんだこの人は…
そんな事決められるわけがないじゃない。
呆れてるんだろうな‥。
自分でもどうして良いか分からないんだもん。
眠りたいけど身体に籠もった熱が眠らせてくれない。

「他の選択肢は?」

「今すぐ寝る。出来ないんですよね?こんな事していたら朝になりますよ」

何だろう眼光が鋭くなっている気がする。

「前者か後者か」

「~~~こ、後者?」

「良い度胸ですね」

不敵な笑みを浮かべないで!
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