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キスをして
第4章 間宮の受難
「そんなつもりはなかったんです」

「知ってますよ、無意識なんですよね?僕のタイミングが悪いんですよね?」

「そう言うわけでは」

「じゃあワザとですか?だとしたら僕は遊ばれているんですかね」

「なんと言っていいのか」

「悪いと思うなら今度お詫びして下さいね。傷心中なんです。考えておきますね」

傷心と言いながら威圧感はまだまだご健在な様で抵抗力を失う私にサクサクと軽く毒を吐いて約束をさせられてしまった。

眞木君はできあがった料理にいたく感動したようで上機嫌だ。
出汁巻きだの蕪餡掛けだの朝から出たら確かに嬉しい。

「もう漬け物まで美味しいです」

「それ昨日漬けたんです」

漬け物も自分でするの!?私より女子力高過ぎて切ない。

「いいなぁ。小塚さん嫁にほしい」

「僕も婿より嫁が欲しいから無理ですね」

眞木君の誘いも笑顔でスルーなんですね。
眞木君も変な事言わないでよね。

食事を早々に終え眞木君は先に行くからと私を置いて颯爽と出勤していった。
不適な笑みを再度浮かべながら‥
だからその笑いは何!?
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