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キスをして
第5章 小塚の本領
あれから小塚さんにも黒沢さんにも会っていない。
黒沢さんは怒らせたままだし、小塚さんも時折灯りは点っているものの姿を見せることはない。
以前から三日四日会わないことはあったのにあの直前から会わなくなったせいか落ち着かない。いつもは待ち伏せみたいにして帰ると顔を出してきたのに。
こんな事を考えるのはここ数週間が慌ただし過ぎたせいだ。
明日は土曜日‥いつもの如く終電に駆け込んで家路に着く。金曜の終電は酔った人が多くて素面の人間には堪えるけど、私など存在していない錯覚を起こさせる空間は疲れ果てた私には丁度良い。
明日は持ち帰りの仕事もないしゆっくり出来る。
ビールでも買って帰ろうかとか悩みながら路地を曲がってしばらくして気付いた。
視線を感じる…。
歩を止め後ろを振り返るが誰もいない。気のせいかと思い歩き始めるがまだ視線を感じる。
今度は歩きながら後ろを振り返ると街灯を背に黒いシルエットが見えた。
少し速めて歩くと自分とは違う足音も速くなっている気がする。
付けられてる?走ろうかなとも思うがいくら低いとはいえヒールで走り切るには距離があるし自宅に駆け込んだところで自宅まで来られたらと思うとそれも出来ない。
鞄からスマホを取り出し履歴を見ていく。仕事ばかりしている私の履歴には同僚の名前が並んでいるが電話できそうな人が見つからない。
黒沢さんは怒らせたままだし、小塚さんも時折灯りは点っているものの姿を見せることはない。
以前から三日四日会わないことはあったのにあの直前から会わなくなったせいか落ち着かない。いつもは待ち伏せみたいにして帰ると顔を出してきたのに。
こんな事を考えるのはここ数週間が慌ただし過ぎたせいだ。
明日は土曜日‥いつもの如く終電に駆け込んで家路に着く。金曜の終電は酔った人が多くて素面の人間には堪えるけど、私など存在していない錯覚を起こさせる空間は疲れ果てた私には丁度良い。
明日は持ち帰りの仕事もないしゆっくり出来る。
ビールでも買って帰ろうかとか悩みながら路地を曲がってしばらくして気付いた。
視線を感じる…。
歩を止め後ろを振り返るが誰もいない。気のせいかと思い歩き始めるがまだ視線を感じる。
今度は歩きながら後ろを振り返ると街灯を背に黒いシルエットが見えた。
少し速めて歩くと自分とは違う足音も速くなっている気がする。
付けられてる?走ろうかなとも思うがいくら低いとはいえヒールで走り切るには距離があるし自宅に駆け込んだところで自宅まで来られたらと思うとそれも出来ない。
鞄からスマホを取り出し履歴を見ていく。仕事ばかりしている私の履歴には同僚の名前が並んでいるが電話できそうな人が見つからない。