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キスをして
第5章 小塚の本領
「速いね」

さすが、毎日の様にやってるだけあって速いし丁寧に作業をしていく。

「俺ももう3年目になりますから」

「ずっとこの会社に居るの?」

「居ますよ~俺目標間宮さんですから」

「橘さんや日下さんの方が仕事出来るよ」

「徹夜ばっかりなのに?」

「あの人達日中打ち合わせとか納品とかで基本的には昼間なんて作業進まないから夜しかないよね」

「なるほど間宮さんは日中に外出を殆どしないからですか」

「そういう事、それにあの二人は指名も私なんかより多いから」

バタンッッ!

あまりの音の大きさに眞木君まで肩が飛び跳ねる。
この帰り方は…

「なんだまだ居たのか」

「お疲れ様です!黒沢さん」

「もうちょっと静かに閉めて下さい。びっくりするじゃないですか」

「…悪い。それ急ぎじゃないだろ?帰れるときは帰れよ」

「は~い。でも後ちょっと」

「はぁ~~。俺先に上がるぞ」

「「お疲れ様です」」

長い溜め息を吐かれてしまった。
眞木君がいて良かったよ。エレベーターの件から話してないから気まずくなるところだわ。

「さっ!終わらせちゃお、もう10時だよ」

作業を終え眞木君に納品車へ運んでもらい先に帰らせてから戸締まりをして事務所を出る。
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