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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第3章 盟主と従者の子供
私は何時眠らされ、何時目覚めたのか・・・
名はラシード・クルス
またの名をゴールド・クルス‥
これは本名を呼ばれる事を私が嫌う為、当時の賢人が名付けた通称。
稀少種と呼ばれる、神と悪魔と人の間と言われた、特殊な力を持った一族として産まれ落ちた。
産まれた頃は、一族は少なくなったと言えども、それなりには居たと思う・・
私は純血では無い‥
純血種である母が、普通の人間であった父と血の盟約を交わし、そして産まれたのが私。
だから私は、ドイツ人と日本人のハーフ‥
純血で無くとも力は同じ、稀少種の力は変わらない。
だが私が産まれた頃には、純血種は既に子供‥出生率は0に等しく‥
理由はどうであれ、混血に近い私に皆の期待が集まった。
集まった・・が・・・
滅びの道が回避される事は無く純血種は絶え、残ったのは私と盟約で稀少種となった父のみ。
その父も稀少種の運命に逆らえず・・
最後に残ったのは私1人‥
そこに稀少種の絶滅を危惧した当時の賢人は、私を聖遺物と呼ばれる、今で言う解明されないOパーツの中に私を閉じ込め封印。
私は数百年という年月を、その聖遺物の中でただ1人で過ごした‥
殆ど眠っていたと思うが、ところどころ記憶がある‥それも世界中の記憶。