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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第8章 カリスマ星の宿命という男
「私もアドルフ殿、貴方に賭けたんです‥
・・・お互い賭けた者同士に・・・」
何時ものように、穏やかな作り笑いをしグラスを掲げた‥
これで布石の殆どが揃い、後は私がアドルフに言った約束を守るだけ・・
「酒の後は、女性などはどうですかアドルフ殿?」
「・・・
女性‥か・・・」
「??」
女性と言った途端、浮かない顔のアドルフ‥
興味が無い男性など居ない、それなのに何故この様な顔をする??
「気に障る事を言ってしまいましたか?」
「いや‥そうでは無い‥‥
ただ私は先の戦争でガスに軽くやられ、性的な事は殆ど役立たず‥
女性を見ても悔しさが伴うだけの話・・」
そういえば、神経系の毒ガスの攻撃があったと記憶にある‥
その渦中に戦地に居て被害に合った、中心地では無く少し離れた場所で‥
だからこの中途半端な状態‥‥
「・・・
昔から何かを持つ者は、何かを代償とするものと言います、アドルフ殿の場合はそれが代償なんでしょう‥
ですが‥少々失礼‥‥」
私はグラスをテーブルに置き、アドルフに近付いて胸から下へと、手を翳して見た・・
(・・血の道に隔たり‥
完全に治す事は出来ないが、一時的なら道を通す事は可能・・)
治すという力は、私と相手の人間の相性というものがある‥
アドルフは、そこまで相性が悪い訳では無いが、完全を求めるとしたら適合性は普通以下。