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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第9章 盟主的暗躍
このまま居城から飛び出したい気分だが、いかせん血の匂いが強い。
人とは血の匂いに敏感なもの、しっかり消さなければ、要らぬ疑惑を呼ぶ。
それに欲しい物もあり、それは居城にしか今は存在しない‥
古からある分、現在では絶滅や廃れてしまった物や技術がある為なのだが・・
(居室の前に、保管庫に回った方が良いでしょう)
保管庫は此処と同じ地下遺跡内‥
温度と湿度が年中一定の地下ならでは‥‥
「・・・・・」
チラリと女性達の残骸を見、私は儀式の前から出て保管庫に向かう‥
余計な感情は持たない‥稀少種として産まれ落ちてから、数え切れない程に思った事。
『人として見てはいけない‥
餌として見るのだ・・』
誰に言われた言葉だったろうか?
それすらも忘れるくらい、私は長い年月を生き存在している‥ただ1人の稀少種として・・・
保管庫から必要な物を調達、だが絶対数が少ない、今の世で調達出来るのだろうか?
「仕方が無い‥時が経ち過ぎているんですから・・」
これも考えても詮無い事、古き物は消える‥これは世の流れ。
手早く調達し、居室に戻り湯を使い血の匂いを完全に消してから、私はまた居城を飛び出す。
アドルフとの約束の前に、少々強引な修行中のルークと合流しなければならない‥
ルークには、まだまだ先があるのだから・・・