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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第11章 混乱と光輝く瞬間
アドルフの意見に同意と見せ掛け、私の方はルークに目配せ‥
階級無しに紛れ込んでいるルークも、私の意図に気付いたようで、こちらを見て頷いている。
今回はこれで良い‥
アドルフの信頼を得る為だけの、只の布石に過ぎないのだから・・・
「・・・
高みの見物ですかご主人様?」
「お膳立ては全て終えたんですから、後は事の成り行きを見守るだけです‥
ルークも終えたから此処に居るんでしょう?」
此処はミュンヘン中心部を見下ろせる建物の中‥
私自身、今回の事に直接関与する気は無いので、この場所で事の成り行きを見詰める事にした。
「細かい配置は全て‥
それと正午から1時間で、全員引かせる手配も済ませています」
「予定通りです‥
無駄にこちらから犠牲を出す必要もありません‥
始まれば勝手に動くんです、大切な人員を暴動の犠牲などというもので、失うのは勿体ない」
「・・・・・はい」
今日のルークは従者に徹するらしく、私が座るテーブルにあるワイングラスにワインを注ぎ足したりして、控えながら様子を見る算段。
どんな事でもこなす、それは私が言った事‥
ルークも朝から無階級の指揮から街中の手配、そして今は従者と、そつなくこなしている様子。