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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第17章 2人のアドルフ
「・・内通者・・
一部市民‥特に既婚女に寄る内通者が居ると情報が入り、範囲から対象になる女を連れて来た」
「さて、どれが当たりでしょう‥
既婚女性も幅広い」
この数年でヒムラーはすっかり変わった‥
"冷酷のヒムラー"
ミュンヘンの頃の穏やかさは無くなり、人を疑う事だけを見詰める‥
だからこそ付いた名、親衛隊と共にヒムラーの名は悪評高い。
本人が望んだ結果‥
アドルフに誘導され、ナチ党の負の部分を請け負う事を自ら承知、ベルリンに出た頃にはすっかりこの性格になってしまった。
「内通者とて高年齢は選ばんだろう‥
話では躰の関係‥セックス込みという、多少は好みというものはあるんじゃないかゼクス?」
「流石に老婆は選ばないでしょう、私でしたら願い下げです‥
出来たら妙齢の既婚者が良い、若過ぎず年過ぎず一番性欲が強い年齢・・」
「そう思うだろう?
だから20代から30代、この辺りがターゲットになりやすい‥こう踏んだがな」
「妥当な線です」
『ぎゃぁぁぁ――!!』
女の悲鳴を聞きながら、またコーヒーをひと口‥
この様子だと、外れか口を割らず‥
恋い焦がれる女の意志は強い、騙されていると知ってか知らずか、そんな事は些細な問題。
自分を見てくれる、それだけで女は意地を張り通す‥
それを打ち破るには・・・