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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第22章 現実と悲しき別れ
「・・パウリーネ・・」
「ルークさんの前では、綺麗な私で居たい‥
我が儘なのは分かってる、こんな場所に住めて何不自由無く暮らしていて、こんな事を言うのは贅沢だって‥
でも私は年老いる私を見せるより、今のままの私をルークさんに覚えていて欲しい‥‥ずっと永遠に‥‥」
「俺の思いを無視してまで?」
「・・ルークさんの思いは痛いほど分かってる、私だって離れたくない‥
でも10年後20年後を考えて、ルークさんは若いままなのに年を取る私、そんなの見せたく無い、そんな辛い姿をルークさんに晒したくない‥‥お願い、私の我が儘を聞いてルークさん」
「・・・俺は・・・」
数少ない幸せ、それがパウリーネだった‥
パウリーネを失ったら、自分は何を心の拠り所にして生きて行けば良いんだ?
・・・違う・・・
一緒に居ても居なくても、何れはパウリーネとの決別の日はやって来る‥
自分の唯一の甘え、それがパウリーネだった。
今更ながらに実感する、自分はパウリーネという存在に依存していたと‥
盟主に忠誠を誓いながら、その心の隙間をパウリーネに求めていた。
パウリーネの言う通り、自分はもう普通の人間じゃ無い‥
普通の人間であるパウリーネを縛れる存在では無くなってしまったんだ。