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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第22章 現実と悲しき別れ
カチ‥‥カチ‥‥と小さな音と、箱自体が血に反応して仄かに光り、絡繰りは鍵を開けて沈黙した。
「・・・
これでしたね、懐かしい・・・」
箱を開ければ、中は一対の宝剣が納められている‥
2人の盟主の為に作られた物、金と銀の隠し刃付きの宝剣。
今まで私が所持していた宝剣に似ているが、一対という事もあり私は使う事は無かった。
「私は‥‥金でしょう」
金の十字架ゴールド・クルス、その名の通り金の宝剣の方を手に取って見た。
「違和感はありませんね、前とほぼ同じ‥
所詮儀式的な物、金でも銀でも構わない」
銀の宝剣‥‥
それを渡す日は来るのだろうか?
数百年さ迷っても、パートナーを見付けられなかった私。
銀の宝剣は父が身に付けていた、父は銀髪だったから‥
対して母は金髪で、金の宝剣を身に付けていた、私の金髪は母から、そして瞳は両親とも同じ。
「やはり2人に当てられましたか??」
仲睦まじい姿は、過去の両親を思い出す‥
稀少種の最後の栄光が母、そして衰退の象徴が父、それが私の両親。
「・・・今更・・・」
両親が生きていたのは私が封印される前、軽く考えても300年以上は前の話、それこそもう昔話の類。
金の宝剣だけを持ち、箱には再び鍵を掛け戻し、私は思った事を実行して見る事にした。