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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第22章 現実と悲しき別れ
「・・・やれやれ・・・」
何時も通りに机に向かっていても、嫌でも聞こえる2人の声‥
こういう時は、耳が良過ぎるのも困りもの。
流石に集中力が出ず、とりあえず何処かに避難と廊下に出て見た。
「・・・そう・・・」
ルークに銀の宝剣を渡してから、私は何も身に付けていない‥
2人に当てられたのもあるが、ふとまだ宝剣がある事を思い出した。
「・・・・・」
来たのは今は使われていない部屋‥
間取りや調度品は私の部屋とほぼ同じ、だけどこの部屋に居る人物は居ない。
そう此処はパートナーの部屋、最後に使っていたのは私の母‥
基本的に盟主はパートナーと2人で盟主であり、昔からこうして2部屋用意されてある。
ただ私がパートナーを見付けられなかっただけ、だから数百年間この部屋は使われていない‥
定期的に掃除は入っているようだが。
「・・・
確かベッドルームの向こう・・・」
古い記憶を思い出し、私は部屋の一番奥にある小部屋から1つの箱を取り出した。
遺跡の石から作られた特別な箱、そして職人手作りの絡繰り仕掛け‥
箱の1点を押すと、箱の上に針のような突起物が飛び出す。
「・・・・・」
それに指を添え刺し、箱に血が流れれば絡繰りが動く仕掛け‥
稀少種の血が無ければ、箱は開かない。