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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第23章 暮れ落ちる黄昏の時
"パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!"
"ザシュ‥ザシュ‥‥ザシュ‥‥"
幾ら進んでも発砲する親衛隊を一撃で蹴散らし、奥へ奥へと進む‥
王宮内の道の配置は完全に頭に入っている、何度も歩いた道だから。
"パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!"
「少ししつこいですよ」
手を横に振れば、風の刃が親衛隊に纏めて襲う、仕損じたのだけ私自ら刃に掛け、これで人気は殆ど無い。
後ろは振り向かない‥
見なくても分かる、この上無いほどの血の匂いと、息絶えた死体‥
中には生きている者もいるが、時間の問題だろう、喉元を深く斬られれば生き残る可能性は低い。
「この私が真面目に肉弾戦ですか、最後にこんな事をやったのは何時でしたかね?」
過去を振り返っても‥
昔は人の命はもう少し軽い物だった、それに合わせて刃を振るっただけに過ぎない、別の意味で今も同じともいう。
血と死体の山を築き上げ、辿り着いたのは謁見の間の扉。
(本当に私の邪魔をする)
中の気配は3つ、そして1つは私が良く知っている者‥
暫くは足止め、彼にはまだ最後の運命が待っている。
"ギィーっと壮大な両開きの扉を開け謁見の間に入り、血の匂いが回らない内に、私は扉を閉めてしまった。