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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第24章 遠い過去-大地の記憶
ルークが少々‥‥かなり痛め付け尋問しても、この獣の男は吐く事は無い、それは男の雰囲気から見て取れる。
だとしたら方法は1つ。
「話したく無ければ話さなくて結構、直接記憶を見るだけの事‥
その方が私らしい」
ナイフはそのままに、空いている片手で男の首筋に触れる‥
そうすれば見えて来る、この男の記憶。
「・・・・・
これはまた予想以上な‥
記憶の中は、人間を襲い犯し殺した記憶ばかり」
主に男性を捕まえ犯し殺す、それも1人や2人では無い、何十人もの人間の死の記憶。
「・・・フリッツ・ハールマン・・・
それが名・・・ですか・・・」
「っ!?
まさか!!」
「知っているんですかルーク?」
男の名を聞いてルークは驚き顔、私は知らなかったが、ルークには心当たりがあるらしい。
「ハノーヴァーの殺人鬼‥‥または吸血鬼と呼ばれた男‥
ですが大戦中に捕まり処刑された筈です」
「ふふ‥‥
この地に吸血鬼ですか、偶然にしても面白い‥
吸血鬼伝説の地に、作られた吸血鬼とは‥」
「・・・盟主・・・」
「もう少し待って下さい、もっと深く記憶を読んでみます」
ルークの話が本当ならば、この男は既に処刑されこの世にいない筈。
「・・・・・」
深く‥‥深く‥‥
この男の奥深くまで。