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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第24章 遠い過去-大地の記憶
「・・・絞首台・・・確かに処刑に引きずり出されています・・・」
見えるのは、階段を上った先の1本の輪の付いた太い縄‥
その縄に首を入れられ、確かにこの男は絞首刑にされているが・・
次に見えるのは‥
異質な服に身を包んだ人間‥‥科学者か実験者‥
という事は、男は刑に処せられたと見せ掛けて、軍に引き渡され実験対象に回された。
・・朧気に聞こえる・・
『殺人鬼の心理だ、この程度耐えるだろう』
『もっと薬を増やせ‥』
『密閉実験だ‥』
身動きも取れないような、暗く狭い‥‥そして水が入った箱に沈められ、泣き叫ぼうが一向にお構いなし。
その内に科学者の薬が効いたのか、男はその箱を力ずくで破壊し逃走。
逃げて、逃げて、逃げて‥‥
そうして辿り着いたのが、人間が居ないこの地だった。
普通の精神状態では無いが、男は正気を保っている、狂っているようで狂って無い‥
私達を襲ったのも、男‥‥ハールマンの意志。
「・・・
こんなものでしょう‥
戦争という名で、実験動物となってしまった人間の末路‥
そして人間を襲い殺す事に慣れているが故に、本能的に私達を襲った‥‥実験によって強化された肉体を持って‥」
「だから此処に隠れ生活をしていたと盟主?」
「そうです、他に行く場所も受け入れてくれる場所も無かった‥
これが真実です」