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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第26章 稀少種の運命-金銀盟主-
放浪の旅から帰る度に減っていく眷族、後数名残って居るという時に母が亡くなり、残っていた眷族も絶え、最後には父と2人。
私の見る限り父は老齢期に入る事は無く、私はやはり世界中を放浪して歩いていた。
「大広間です、あまり見て良い気分にはならなそうですがね」
「この場所にそんな記憶があるのですか盟主?」
「私は此処で賢人に捕まり、遺物に封印された‥
その時に父と言い争いまして、まあ後にも先にも怒りをぶつけたのは、この時だけです」
「だから良い気分では無い」
「父とでしたから‥
唯一私の理解者と思っていました、放浪するのを許したのも父であり、本当は眷族皆反対したのを抑えたんです‥
好きに見聞きしてくれば良い‥それが父の言葉」
大広間は殆ど物は無く、上段と広間部分が分かれているに過ぎない‥
それも至るところが崩れ、当時の面影は僅か。
「・・・過去の栄光と言うのは、こんな事を言うんでしょうか?
夢の跡‥‥父の言葉だったと思います」
言葉通り栄光の後の衰退‥
数百年、人が入らなかっただけで、数千年続いたこの城も此処まで朽ち果ててしまった。
夢に続きは無いと言わんばかりに、自然と朽ちてゆく。