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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第26章 稀少種の運命-金銀盟主-
「絶対に‥‥ミア‥‥」
晴れていく霧と共に、ミアの姿が薄れていく‥
私が最後に見たミアの姿は、泣き顔では無く満面の笑顔だった・・・
「私のせいで1000年もすみません‥
今度こそ安らかに‥‥ミア‥‥」
適当に服を着て、最後にミアを乗せていた上着に触れる‥
上着はまだミアのぬくもりが残っているよう、羽織る気にならなく上着を私の側に置いて、私は今度こそ草むらに寝転がった。
「全ての謎が解けたんです‥
これからですよ、これから本当の‥‥」
無い事に自然と眠気が降りて来る‥
それに逆らわず私はこの場で眠る、まるでミアに包まれているような感覚で・・・
「・・おはようございます盟主・・」
「・・・ルーク・・・ですか?」
聞き慣れたルークの声で、私は漸く目を覚ました、辺りは朝焼け‥‥かなりの時間眠っていたよう。
「夜に霧が深くなり、盟主を見失って心配しました」
「子供では無いんです、迷子になる訳が無いでしょう‥
私の方も霧が邪魔で、此処で眠っただけです‥‥お陰で良い夢が見れましたが」
「良い夢‥‥ですか??」
「ええ‥‥
辛く悲しく‥‥それでいて幸せな夢です、霧が魅せた幻だったんですかね?」
「???」
不思議がるルークを軽く無視して、私は上着を持って立ち上がる‥
霧が魅せたミアという幻は、私に取って一番心地良く幸せなものだった。