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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第33章 ルークの帰還-雲の上のパウリーネへ‥
(‥‥随分変わった‥‥)
俺が独国に居なかった間にベルリンの壁が崩壊、不満に不満を重ねて来た民衆の勝利そう聞いている‥
そして壁崩壊と共に東西独国という非情な分裂も無くなり、漸く独国は1つの国として纏まった、長かった戦後処理が終わりを遂げたとも言う。
俺はロシアから海路を使って独国に入り、ベルリンから列車でミュンヘンへと向かう‥
今じゃ旅客機が飛び交っているが、昔の影響なのか今だ海路や列車の方が安心出来る。
(戦争の爪痕は残るが、地方も発展した‥
俺が見ていた戦後独国はもう無い)
列車から見る風景は穏やかそのもの、少し前まで東西独国と呼び主要4ヵ国に見張られていた独国の姿は綺麗に消えた‥
これからドンドン発展して行くんだろう。
物思いに耽りながら列車での移動が済めば、今度はレンタカーを借りてミュンヘンから本部遺跡へ‥
今日帰る事は本部遺跡には伝えていない、盟主は感付いておられるだろうが。
「‥‥そろそろ話し方を変えないと、ずっと俺生活だったんだ戻るか??」
盟主の前では一人称は自分、このスタンスを崩す気は無く、暫く使っていなかった自分という言葉に、俺‥‥いや自分自身が戸惑うほど‥
それだけ長く本部遺跡から離れていた。