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シャネルを着た悪魔
第3章 ☆CHANEL NO3☆
「テレビ付ける?」
「いや、付けない」
ポテトサラダが少なくなってきた。量を足すついでにリモコンを渡そうとすると、首を振られる。
「朝はテレビ見ないの?」
「どうせニュースしかやってないだろ。って事は──トップニュースは韓国の財閥の事だよ」
「ああ。そうか。やっぱりイヤなんだ、日本で自国のネガティブなニュース聞くのは」
「そりゃイヤだろ。バカらしい」
「バカらしいかな?」
「政治、好きなのか?」
「うん。私、権力とかそういうの大好きよ。」
「今回のニュースは嫌いだけど」
「面白いから、だろ」
「ううん。違う」
お水をゴクリと喉を鳴らしながら飲んでから、次は私が首を振った。
「気持ち、わかるじゃん」
「何の気持ちだ?」
鼻で笑う様な態度をされたけど気にしない。
「私が、イムさんだった場合も同じ事をすると思う。『損して得とれ』なワケでしょ?何が悪いんだろうって思うの」
「財閥だからしちゃイケナイの?って。きっと小さい会社だったら、ここまでニュースにもなってないのよ。」
「財閥の子と云えど、人の子だもん。自分が代表する会社を大きくしたい。その為に使える手段やコネクションは全部使う。それって普通の事よ」
「それが例え悪い事だったとしても。──それでも、使えるモノは使うべきなの。」
「しかも、これほどまでに嫌われて注目されるんだよ?男なんだから自分の親父を超えてみたい!見てろよ、お前ら!って気持ちが行き過ぎただけの話じゃん」
「財閥の話が好きなのは、ソコ。同じ『人の子』として見てるから、こういうニュースを聞けば聞くほど『普通と変わらないんだな』って思えてくる」
「でも、このニュースが嫌いなのは──国民が寄ってたかって、財閥が全部悪いんだ!みたいな事を言いだすから」
「……。」
「実力があれば、誰でも『振興財閥』くらいにはなれるのよ。成らない道を歩んでる人達に、色々な重圧と戦ってる彼達を一色にして叩く筋はナイでしょ」