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シャネルを着た悪魔
第3章 ☆CHANEL NO3☆
「待って、可笑しいでしょ。人を人として見る子は、国籍で性格までもを判断しないわよ」
「でも私は、韓国人だからという理由で貴方に啖呵を切った部分がある」
「違う。お前は、そう見えるだけなんだ」
「何がよ?」
「お前は──、レイシストに見えるだけなんだよ」
「実際は、ちゃんと人間の深層心理を見ようとしている。だから、俺がカルティエの一連でお前の二面性を暴いた時に、お前は言い返す事もせずに黙った」
「それは、お前が自分の深層心理に気付いたからだ」
「それができる人間は、対他人にもできる」
「その結果として、昨日ラーメンを作って、今朝……健康的な朝食を俺に作った」
「つまり?」
「お前は、韓国人として俺の事を嫌いになった。でもお前の本当の性格で有る『人を人として見る部分』が出てくるにつれて、韓国人だから……とかそういう目線で俺を見なくなった。」
「お前は、俺の事を”変わった我儘な男”だと見てる」
「そして、今は──ポールに会わせてくれる素敵な男、だと」
「分かんねえかな?」
「──分からないでしょ」
「俺、おめえにマジで惚れたみたいなんだよ」