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シャネルを着た悪魔
第4章 ☆CHANEL NO4☆
「女になれって……。」
「付き合ってください、って跪いて言った方が良いか?それとも何か、新しい宝石でも欲しいのか?」
「いや、私──」
「何度も言ってる様に韓国人と付き合うなんて考えた事ないし、貴方の事好きじゃないから無理よ」
冷静を装うためにタバコに火を付けたけど、やはり冷静になんてなれっこない。
フィルターに火をつけていた。口の中に広がる独特の臭いと味──不細工な顔になった私を見て状況を察した彼は、ニヤリと案の定、悪魔の様な笑みを浮かべたのだった。
「そうなんだよな」
「は?」
「俺、お前のそういう威勢の良い所が好きなんだよ。誰に口聞いてんだ?って根本から叩き直したくなる」
「私、貴方に叩き直されるつもりなんて一切ないんだけど」
「知ってる」
「友達、じゃダメなの?」
「ダメだ。それじゃお前は変われない」
「──何か私が変わりたいって言ったみたいになってるけど、アンタが変わらせようとしてるだけだからね」
「リョウさんと同じ事言うんだな。宝石やブランドの件と全く一緒だ」
「どうしても、か?どうしても──俺の女には成りたくない?」
「ええ。」
じゃあ、こうしよう!とでも言う様に、テーブルの上に置いてあったメモ用紙にリッツカールトンのボールペンで何やら筆記体で長文を書き出す彼。
私はそれをとりあえず──黙って見るしかなかった。