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シャネルを着た悪魔
第4章 ☆CHANEL NO4☆
「近藤代表……た、退職ですか?」
「ああ。」
それ以上は聞くな、という顔をしている彼だけど、職を失う『クビ勧告』されたのに理由を聞かないバカは居ないだろう。
「私、何かミスを犯しましたか?成績も同期の中ではトップだったと思うんですけど」
「──。」
「もし……もし、クビという事でしたらせめて理由は教えてほしいです」
「非常に言いにくいが、君が居る事で会社の利益が……」
「会社の利益、ですか?」
「ここだけの話にしてくれるか?」
ネスカフェでコーヒーを淹れてくれた彼。
確かに、私が会社に嫌われて『クビ』になるのなら、辞める人間にここまで丁寧にコーヒーは作らないだろう。ましてや代表自ら私を呼び出すなんて──。