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シャネルを着た悪魔
第4章 ☆CHANEL NO4☆
「はい?何か問題有りましたか?」
「ご契約はいつ頃でしょうか?」
「契約、ですか?──確か三年以上は前だと思います」
「柳沢様の口座は凍結されていますね」
「はあ!?」
椅子から立ち上がり大声で叫んだ。
周りの人の視線なんか、どうでも良い。
「どういう事!?」
「お静かにお願いできますか?」
着席しろ、と目で合図される。
──しぶしぶ、椅子に腰かけたけど。
「正しくは差し押さえ、ですね」
「いや、日本語なんてどうでも良いんです。……それより、はあ!?どういう事なんですか?」
「口座差押なんて、税金払ってないとか口座持ち主が死んだとか、そういう場合のみ適応されるんでしょ?私、生きてますし税金も払ってますけど」
「こちらから申し上げれるのは『法令や公序良俗に反する行為に利用され又はそのおそれがあると認められた』という事のみです」
「法令や公序良俗に反する行為……?」
つまりはこうだ。
私は反社会的勢力の方たちが口座開設できないのと同じ理由で、溜めた現金もキャッシュカードの能力も紛失してしまった──と。
「それって、いつ……差押されたんですか」
「そちらに関しましては、機密情報になりますので申し上げる事は出来ません」