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シャネルを着た悪魔
第5章 ☆CHANEL NO5☆
腕にはショパールの時計が煌めいていた。結局……買い取ってくれなかったのだ。時計を。
タクシーから見える夜景に目を移すと、韓国の風景が焼き付いてくる。
独特の雰囲気はやはり日本とは少し違う。それが良いのか悪いのか──そんなのは私にもわからない。ただ──この一連の犯人が私の予想で合っているのなら、今度こそ『正真正銘の反韓人間』になってしまうだろう。
信号で止まった時に、丁度横に停車していたバイクが居た。
若い男の人だと思うけど──格好良い最新型のハーレーに乗っている。
そんな光景を見ながら、私はつい四時間ほど前の質屋での出来事を思い出していた。