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シャネルを着た悪魔
第1章 ☆CHANEL NO1☆
翌朝、会社に向かうタクシーの中でフェイスブックを開いた。ある意味私も、こういう所は今風の女の子だ。
愛の投稿が目に入ったから読んでみる。
そして全文読み終わった10秒後くらいに咳き込む私。運転手さんに大丈夫?と英語で聞かれたので、オッケーとだけ答えた。
『韓国二日目にして有名人にナンパされました』と書いてあった。
ご丁寧にASAOの住所まで載せている。芸能人の名前は言えませんが~って書いてるけど絶対にフェイスブックには書かないだけで女の子同士で飲む時は、まるで少女の様に言いふらすだろう。
投稿時間は午前三時。
どこかに飲みにいって、あることをシテ……そこからの投稿なのは間違いない。
『おいおい、芸能人なら遊ぶ女も選べよ』と思わず韓国人側の心配をした私はリョウと付き合っていたから余計そう思うんだろう。
こんなことになるのならあの時「私達の価値」なんて言わずに「私の価値」にしておけば良かった。
何となく、自分のメンツを潰されたみたいで腹が立つ。
喫煙オッケーと前もって運転手さんに聞いていたので私は車の窓を開けて煙草に手をかけた。
フィリップモリスのマークはアメリカ最大の資産家達のあのマークに似ている。どうせ寝るならあれ位のレベルじゃないと。なんて思ってから社員証を取り出して降りる準備をした。
もう、あんなミーハー女なんか相手にしてられない。私は——仕事を第一にして生きてきたんだ。だからこそ、今日も仕事を頑張らないと。
今日は大事な打ち合わせが予定されてあるんだし——。