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シャネルを着た悪魔
第6章 ☆CHANEL NO6☆
『おはよう。これからは毎週月曜日と金曜日は韓国語の教室だ。火曜日は茶道教室、水曜日はマナー教室、木曜日はヨガ。』
『全部、午前11時から午後1時までになっている。二時間休憩して午後3時半から5時までは毎日ジムに行ってもらう。』
『でも土日は休みだ。買い物をしたいとかエステに行きたいとか、休日の金のかかる事は俺に言う事。その時にカードを渡す。』
『朝は遅くても8時半には起きる事・そして3キロは歩く事。一日5キロ以上だ、二度に分ける事は可能。筋トレは二日に一回のペースで良い。これも土日は除く。』
『ジムにはエアロビの他にもプールやK-POPダンススクールが有る。その日の気分によって選択は可能だけど、二日に一度は必ず筋トレ、ここは守れ』
英語なのに、どうして彼の口調になって脳内で再生されるのだろう?
──正直、ここまで来てしまったんだ。
今更、この手紙を見たからといって思う事なんて何もない。どうやら私を本気で変えたいんだな、とこの位にしか感じないのだ。
前言撤回だ──やっぱり女性は強いのかもしれない。
一か月でここまで、この環境に適応してしまうのだから。
あの日の彼の言葉を借りるなら『私こそ後に引けない所まで来てしまった』。
彼の……”帝国グループ”のパワーで。
『一週間に二冊は本を読む事。内容は何でもいい。ただし漫画はダメだ、韓国語でも英語でも日本語でも良い』
『俺に全て返してほしいなら──まだ死にたくないなら、お前はここに書いてあるこのスケジュールを全部やり遂げる事だ。まずは三か月』
『三か月経ったら新しいプランを用意する。』
『お前の愛したノーマ・ジーンは”マリリン・モンロー”に死ぬまで徹し続けた。お前も彼女の様に成りたいのなら──憧れるのなら──』
『お前を愛してくれて尚且つ誰よりも愛せる男以外の前では幾つもの顔を使える様にしろ。』