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シャネルを着た悪魔
第6章 ☆CHANEL NO6☆
不味いコーヒーを全部飲み干して、彼が買ってきたフィリップモリスをカートンから出す。
味は同じハズなんだけど、私も見た目から入る人間なのかどうなのか──ハングルがパッケージに書かれてあるだけで日本のフィリップモリスよりももっとマズく思える。
薄くて大きなテレビになんか目もくれないし、溜まっている食器もどうでも良い。
とりあえず──ゆっくりと煙を少し大きな唇から吹きだしてから、段ボールに入っている『ハイブランド品』を片付ける事にした。
此処に住む事になるのは確実だろう。
そうなったら──いや、こうなったら、の方が正しいか?
グズグズはしていられない。
『自分の陣地』は自分で守るんだ。
誰の手にも染まらないためにも私は己を強く持ち、己の心を乱さないためにも環境を整える必要がある。