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シャネルを着た悪魔
第6章 ☆CHANEL NO6☆
『ねえ、どうして私じゃダメなの?』
『君はとてもかわいいよ。凄くキュートだし隣で歩いていても僕は恥をかかない。』
『でも本当の君を僕は扱いきれないんだ』
『どういう事?』
『君のキュートな部分だけを愛せたら幸せなんだろうけど──君の望む関係になるのなら僕は君がヒステリックになった時も、時間にルーズな時も、全部全部……愛さなきゃダメ、そうだろう?』
『悪いけど──僕は──』
『それは出来ないの?』
『ああ。』
キングサイズくらいあるだろうか?とても大きなベッドの上で裸体で話しているカップル。
女性の髪は綺麗なブロンドで男性の髪は対照的に真っ黒だった。二人とも白人だろう。だけど女性の顔は──見えない。
ただ──彼女がすすり泣く音だけが聞こえた。
そしてその後に見えたのは──
垂れ目としっかりセットされた黒髪が特徴的な男性が、大勢の観衆に囲まれ高いマイクで話している時に……遠くから狙撃された絵だった。