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シャネルを着た悪魔
第6章 ☆CHANEL NO6☆
さっきの悪夢のせいだろう。ヤケに喉が渇いている。
一気に冷水を喉に含んだ。
「───。腹くくるって?」
「アンタが『憎い家族の力』を使って『ほしい女』を手に入れた様に」
「私も『憎い男の力』を使って『いい女』になるの」
「………。」
「だって、それだけの環境が整ってるんだもん。」
「そしてそこまでさせてくれるんだもん」
「これを利用しないのってバカでしょ?」
「『I dont care the way that will be hollywood star.』か」
”私はハリウッドスターになるための手段は気にしない”
マリリン・モンローが沢山の人物と寝て何十回も中絶手術をしたと言われている噂の根源になった彼女自身の言葉だった。
「そうよ、体は預けないけどね」
「──っ、ははっ。それでこそお前だな」
目じりの垂れた笑顔は、とても爽やかだった。
もう日が変わりそうになっている時間だというのに、彼は疲れた素振りを見せずにサランラップをしてある料理を慣れた手つきで電子レンジまで持っていく。
コイツは──憎い。心の底から。
ただ、私のご飯を嬉しそうにあたためている素振りを見ると、ほんの少しだけ❝可愛いな❞と思えたのも本当の気持ち。