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シャネルを着た悪魔
第6章 ☆CHANEL NO6☆


「正直ね❝女性の見た目は関係無い❞なんて嘘よ。好みじゃないと中身を知ろうと思わないのが男だし。好き好き言い続けてやっと中身を見て貰えても結局、外見と一瞬の会話を武器に相手に先に惚れさせないと大事にされないからね。」

「ああ、どっかでナメてかかってくるみたいな?」

「そうそう。信じて付いて来てくれる事に感謝はしてるし、勿論愛情もあるけど…でも時々浮気する、みたいな。だからある程度の見た目は大事なの。」


「でも❝見た目しか関係ない❞もウソ。」


「でもね貴方は見た目も中身も両方を持っている。偉そうに思われるかもしれないけど『オンニ』として言わせてもらうと、磨けば光るダイヤなの」

「貴方なら、どちらかを70%の割合にする事なく、50%ずつの割合で見た目の美しさと内面の美しさを手に入れる事が出来ると思う」


「───。」


今日はトレーニングが早く終わったのだろうか?

彼女がここまで私に話しかけてくるのは珍しかった。しかも、こんな確信付いた事と云えば尚更、だ。



「Never give up, my sister...」

「韓国語も、ダイエットも、内面磨きも──。勿論その他の挑戦している事も全て、ね。」




「この世に『絶対』なんて無いの。」

「私、実は……昔は芸能事務所に所属しててね。誰よりも可愛かったし歌も上手いしスタイルも良いし絶対にデビュー出来ると思ってた。でも、できなかったの。」


「それと同じなの。結果がポジティブな方に変わるのかネガティブな方に変わるのかは分からない──。でも『絶対』なんて無いのが人生だと思う。」


「だから、何事に関しても最初から諦める様な真似はしないでほしい」


美しい顔は、美しい英語を並べて

美しい声で──そう言った。


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