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シャネルを着た悪魔
第1章 ☆CHANEL NO1☆
「遅かったね~」
「ごめんごめん、ちょっとね。たくさん吸いたかった」
思いの外、そこからジッポの話になったりで二本も吸ってしまった。
我慢してたのにいきなり煙草を思いきり吸ったからだろうか、少し酔いが回ってきた。
「明日で韓国での仕事は終わりだから、今日は早めに帰ります!」
支部長にそう告げて、私はラスト一杯!と八杯目を頼んでから飲み干した。
そして千鳥足になりかけの自分を、また必死に隠してタクシーに乗り込むまでに掛かった時間はおよそ15分。突然の急ピッチに皆、ぽかーんとしていた。
女の子たちが、ホテルまで送ろうか?と声をかけてくれたけど断った。
だから、物静かな運転手さんと車内で二人。
断った理由は——彼女たちが『女』として見つめていたテーブルが奥に有った事に酔いながらも気付いていたからだ。
イケメンである事が私でも分かる。
そして現実、灰皿の前で喋った男の人は、誰よりも格好良かったしその人の周りにいる四人もみんな派手な服装をしていたけど各自、お洒落だった。
ASAOは値段も安くないしお洒落だし、芸能人がよく来る様なお店っていうのは本当なのだろう。