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シャネルを着た悪魔
第6章 ☆CHANEL NO6☆
ただ──私がご飯を作る様になってからは、いつそんな事をしてるのか分からないけど、こっちにも布団を買ったりだとか自分の服を持ってきたりで、生活感が溢れる部屋作りにはなってきていた。
彼の『本拠地』であった本当の家では、私が知る限りもう二か月近く寝ていないだろう。
「今日も、歩いてみようと思うんだよね。」
「いいじゃん」
「うん。ただ夜も遅いし3キロくらいが限界かなって思ってる。スクワットの回数増えてしんどいしさ」
「………。」
「韓国の男の子ってさラテン系じゃん?カンナムはクラブも多いしあんまり夜遅くに歩くと酔っ払いに絡まれそうで怖いんだよね、正直」
「私、身長も高くないし細くもないからアレだけど──でもメイクの仕方とかもあって日本人ってモロバレでしょ?それ分かる人なら、何してんの?位は声かけてきそうだなって」
「中途半端に韓国語分かる様になったから、余計なんだよねえ。前までは何か言われても全く理解できなかったから気にも留めなかったけど」
私の弾丸トークが始まりそうになった気配がしたのだろうか?
確かに……見てもいなかったテレビを消した彼は、ジャスミン茶を飲んで目を見つめてくる。
「どうしたの?」
こうやって二人でご飯を食べる事も、サファイアのリーダーであり帝国グループの次男でもあるソン・テヒョンに見つめられる事も不思議と慣れてきた。
韓国での生活は慣れてないけど──コイツとの生活には慣れた、と言ったらこの話を聞いた人は驚くだろうか?
「そういえば、お前の部屋のデスクの上に携帯置いてるから」
「───え!?」
携帯!?
ってことは───。