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シャネルを着た悪魔
第6章 ☆CHANEL NO6☆
「ただし、掛けれるのはお前の両親と俺とメンバー、マネージャーといつもお前の事を送り迎えしてくれてるBNのブイさん。後──各習い事の先生だけ」
……一瞬にして消え散った儚い希望。
「ちなみに、お前の両親は『あの時』にコッチから手まわして韓国に出向したって思ってるから。wi-fi工事飛ばす──つまり今の今まで連絡取れなかったけど、秘書室のヒョンが会社のパソコンからって名目でメールの相手はしてくれてたから」
「……ええ?どういう事」
「だから、お前の親は半年間韓国に居る事も知ってるし、今韓国に住んでる事も知ってるけど俺が全部手回したから連絡つかなくて心配してる様な事もないって意味だよ」
「ああ」
ありがとう──と言うべきなのか、何してくれてんの?と怒るべきなのか──。
でも、もうこの際そんなのはどうでも良くて『やっぱりコイツ』と呆れるのみだ。
「インターネットは?」
「フェイスブックとかツイッターは出来ない。普通に物事調べる位なら出来るけど」
「アンタさあ」
「何だよ」
「まるで中国政府みたいな事するのね。いや、北朝鮮って言った方が正しいかも」
「やめろよ、すげーシリアスな話題だぞ」
「だってそうでしょ。少しくらい信じたらいいじゃない」
「何を?」
「私の事を、よ。」
「私は、心決めて今目の前の事を成し遂げようとしてるのよ。半年間の辛抱だ、って言い聞かせてるし、ぶっちゃけ今は今で韓国語の練習も楽しいの」
「別に逃げる事なんて無いわよ。資産も何も無いのに」
「だけど、おめえみたいに、そうやって心決める事が出来る女は『帰宅する』事に心を決め直した時は怖いだろ」
「────。」
「いいか?俺は”商売人”の息子だ。要らないリスクを背負って心配事を増やすくらいなら、必要なリスクだけで今を必死に生きる方を選択するよ」
「じゃあ、そんな怖がりな貴方に言い方を変えてあげる」
「私、韓国の生活には慣れてないけど──貴方との生活には慣れてきたわよ」