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シャネルを着た悪魔
第6章 ☆CHANEL NO6☆
「リサも行くのか?」
「ああ。」
「大丈夫なのか?」
「パパラッチ?」
「……。」
彼に聞いた事がある。マネージャーは私とあなたの関係を知ってるの?と。
すると彼は言った。
『ああ、知ってる。俺が帝国の力使って無理矢理、側に置いてる事も。今回──お前の一件があって初めて他人に生まれの事を話した』
『驚いてたけど、もう10年一緒にやってきたからな。苦笑いしてたよ。』
『でもお前の事は心配してた。──俺よりも、目に見える心配を』
「お前、秘密にしないとダメな事が人よりも多いんだぞ。」
「分かってるよ。コイツの事は何とでもいい訳出来る様にするから」
「────。」
韓国語で何かを早口に言うマネージャー、そしてそれに答える様に返事をしたテヒョンの声は心なしかいつもより低かった。
こんな早口だと何を言ってるのかは理解できない。でもきっとテヒョンの気に障る様な事を言ったんだろう。──となると私の事か、家柄の事かの何方かだ。
乗り慣れた真っ白のベンツは、いつもブイさんが私を送り迎えしているときに使ってるもの。私が運転手さんにあげた毛糸で出来たキティちゃんのキーホルダーは不似合にバックミラーの下で揺れていた。
まるで、このカンナムの夜の景色の様に──。