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シャネルを着た悪魔
第6章 ☆CHANEL NO6☆

連れて来られたテレビ局は韓国で一番の民放らしい。大きさはフジテレビに少し劣りそうだけど、外観に関してはさすが韓国!と云う様なお洒落な作りになっている。

こんな時間だと言うのに、会社に出入りしている人間が多いのは各国メディア関係の職についてる者は国境関係なく忙しい激務、ということだろう。


「お前、素っぴんだろ?」

「うん。もう夜ご飯の時にメイク落としちゃってそのまま」

「ちゃんと美容液までした?」


「───。」


「……ったく、おめえの沈黙はいつも正解を意味するよな。今回は悪い意味での正解、だけど。」

割りと話す様になってからと言うもの、やれ化粧水だ……やれ乳液だと煩く言われ続けてきたが、硬くなに拭き取り化粧コットンで軽く落として眠る生活をしていた私。

「俺、このままスタジオ入る前にメイクいくから、お前もその時に綺麗に落として貰ってから──もう一度、メイクしてもらえよ。」

「はあ?何で?」


「俺の隣に座るんだ。しかも──シャネル着てて眉毛無いのは可笑しいだろ。」

「……そんな。また家に帰ってメイク落とさないとダメやろう。面倒臭い」

「──俺が落としてやるから、だからメイクして場所わきまえて、俺の顔立ててくれよ」


「私、絶対に落とさないから。そんなに言うならアンタが落としてね」

「ああ、分かったって。」


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