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シャネルを着た悪魔
第6章 ☆CHANEL NO6☆
そんな英語のやり取りを、五年アメリカに留学していたマネージャーは簡単に理解出来たのだろう。

おじさん特有の笑い声を立てたおかげで、車内の雰囲気は少しだけ明るくなった。

「メンバーは何か知ってるの?」


「今日は俺のソロ曲の撮影だから、メンバーは居ない。」

「そうなんや。」


「ちなみに、俺とお前が今こんな感じで一緒に住んでるのは誰も知らない」

「言わなくて良いの?」


「リサ、言ってやってくれよ。俺もメンバーには言えよ、って何度も言ってるけど……リサのことも生まれのことも言わないんだよ。」

「──ったく、俺にも色々とタイミングっつーのが有るんだよ。会長のDNAを信じてみろや。」

会長とは、帝国グループ代表……つまり、彼のお父さんのことだ。

とんだ使い方にミラー越しに目が合った私とマネージャーは二人して同時に苦笑いを浮かべた。


「何だ、おめーら二人して笑いやがって。」

「笑ってないわよ。アンタも頑固だなって思ったの。何型なの?」

「Bだけど」


「ああ、ぽいわね。」


今度は──そう言われた本人も、気にしてなさそうに笑っていた。

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