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シャネルを着た悪魔
第6章 ☆CHANEL NO6☆
「──あのワンピース、シャネルの今シーズンの新作でしょ?青色のボタンがアクセントになってる。首元のスカーフもシャネルだね。これも黒と白と青かぁ…」
「ベージュのパンプスはフェラガモだけどそれ以外はシャネルだから…シャネルメイクね。──つまり、ちょっとモードだけど女性らしさを残したメイク。」
「具体的には?」
「目もとはモードに仕上げてみるわ。日本人だから少し垂れ目だけど、キャッツライン引く。それから目尻にワンポイントで青色を入れて、パッと見が冷たい瞳になるよう努力してみる。」
「でも服装とのギャップを作りたいから、チークは薄いピンクね。赤色だと派手過ぎるわ。口紅も敢えてマットではなくてコーラルピンクにして仕上げを透明グロスで"石原さとみ"さん?みたいな感じにしようと思う。オッパ、どう?」
「──上出来。」
筆とスポンジを器用に扱いながらも、的確にイメージを口に出して、尚且つ服装との相性も考えてる彼女。
若いし──と思っていた自分のガキさが身に染みた。グループのメイクさんではなく、彼個人のメイクさん……。
つまり彼が才能を認めた人物。
『す、すごい……』
思わず出た日本語。
段々、画面に映るスーパースターの風貌になっていってるテヒョンは、日本語を理解したのか子供を褒められた親の様な顔をして私を見つめた。