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シャネルを着た悪魔
第7章 ☆CHANEL NO7☆
『ヒョン!この子達は、僕のメイクなんです。』
『そうなんだ。宜しくね』
『っ宜しくお願いします!』
ティーの訳す声の色が変わる。きっと考えてることは私と同じ。
──この女達はろくな女じゃないな、だろう。私とティーが即座に目が合ったことが何よりもの証拠。
『ティーさんと……』
『ああ、俺の親戚。日本人だから』
『そっか。ヒョンのお母さんは日本人のハーフですもんね。』
『そう。今一応、韓国に留学きてて韓国語勉強してるけど……まだあんまり話せないから英語話せるなら英語で話しかけてやって』
『僕達、全員アメリカ進出目指してるんで、英語は少しなら。ヌナも大丈夫だよね?』
フラれたのはメイクさん三人組。
みんな背が高くて、顔も綺麗で、まるでモデルさんのようだった。
「はい、少しだけなら」
──変わった言語に、どこか安心感を覚える。ネイティブではないけど家や習い事先でずっと英語を聞いていたら、もう英語じゃないと安心感は沸かない。
「じゃあ、ヒョン!座ってください!!」
勢いよく彼に席を譲る少年達は、みんな無邪気に笑っていた。しんどいスケジュールだろうにこうやって笑顔になるところを見ると──本当に憧れているんだろう。
ソン・テヒョンという、アジア……いや世界のスーパースターに。