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シャネルを着た悪魔
第7章 ☆CHANEL NO7☆
ピーナッツを噛りながら、スン君と呼ばれている最年少イケメンの顔をジっと見る。やっぱり……可愛い顔だなぁ。
「でも、リサヌナ。良いですよね〜…何てったって、あのテヒョンさんと親戚なんですもんね〜」
「そ、そう?」
「勿論ですよ!僕達──というかK-POPの若手アイドル全員のロールモデルですよ。サファイアさんも、テヒョンさんも」
「へえ……。」
「ほら、オンニは韓国に居なかったからさ。元々親戚がアイドルだからそういう業界とかも好きじゃなかったみたいだし。だから、あんまり分かんないんだよ」
自分だって私とテヒョンのちゃんとした関係を知らないハズなのに、ちゃんとフォローを入れてくれるティーはチョコレートばっかり食べている。
それでもこんなに肌が綺麗なんて──やっぱり、DNAレベルの問題なのかしら?
「ねえ、ここって禁煙?」
「タバコ吸うの?」
「ティーは吸わないの?」
「ん~……。韓国では年上の人の前ではあんまり吸わないんだよ。いくら相手が気にしない!って言っても基本的には女性は隠すの」
「え、そうなんだ」
初渡韓の時はレストランの前でも……どこでもバンバン吸っていたことを思い出す。
あの時の視線について、以前は私が日本人だから、だと思っていたけど、もしかしたらそれが原因だったのかもしれない。
『こいつ、女なのに喫煙者なのを隠さないんだ』という思いが──。
灰皿にタンを入れる外国人観光客を日本人が白い目で見ながらも異国文化だからと大きな声で文句を言わないところと似ているだろう。
「あ、トレイで吸って来たら?」
「トイレ?逆にいいの?」
「うん。韓国のトイレは火災報知器とか無いからね。──隠れて吸う女の子も多いし、普通だよ。」
「ああ、なるほど」
「でも三階には無いみたいですよ。」
「何階なの?」
「二階って言ってました。」
イケメンマンネにお礼を言ってから、タバコとライターをおしりのポケットに入れて席を立った。
目が合ったテヒョンに口パクで『タバコ』と言うと、意味を理解したのだろう。ゆっくり頷き返してくれる。
あいつも……韓国で生活させるんだったら、それ位教えてくれても良いのに。久しぶりに飲んだシャンパン三杯のせいで、少し怖く感じる階段をゆっくりと下ってカーテンを捲った。