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シャネルを着た悪魔
第7章 ☆CHANEL NO7☆
サイボーグ女子に睨まれていたけど、気にしていたらキリがない。だから涼しい顔してボンの隣に座り込んだ。
彼の前にだけたくさんのフルーツとドンペリゴールド。
ここのお金は彼が支払うのだろうか?それともヒョンと呼ばれていたし──年上だから顔を立てているだけなのだろうか?
顔はお世辞にも格好良いとは言えなかった。ザ・整形顔だけどクー君の方がイケメンだ。
「日本人、どうして韓国に来たんだ?旅行か?」
「………」
”日本人”と呼ばれた事に腹が立って、きりっと睨んでみる。それが面白かったのか大げさにシャンパンを噴き出す素振りをしていた。
「はは、悪いね。名前は?」
「──リサ。」
何だか言葉一つをとっても、態度一つをとっても、小バカにされてるみたいで腹が立つ。
「リサさん、日本の男はどう?韓国にきて、韓国の男に触れて──何か違いは有った?」
もう一度、どこかで見た眉毛を整えるジェスチャー。これが日本人を侮辱するジェスチャーかもしれない。と直ぐに頭に浮かんできた。
「………。」
「三階にいたんだってね。どこの社長を連れてきたんだ?ヒュンダイかな、LGかな」
またも起こる下品な笑い。クーくんだけが、どこか焦った様な顔をしていた。
「ねえ、フランクさん」
時計を指さしながら彼に言葉をつづける。
「知ってるわよ。韓国と中国では日本人の愛人を持つ事がステータスなんでしょ?だからこその、言葉でしょ?」
言ってやりたかった。
連れてきたのは『そんな財閥なんかくらべものにならないレベルの男』だと。
「その劣等感、どうにかしたら?」
丁寧な英語で、腸が煮えくり返りそうな今の気持ちを表した私。
彼の目は少しだけ動いた。