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シャネルを着た悪魔
第1章 ☆CHANEL NO1☆
カンナムのど真ん中に聳え建つ大きなビルはうちの会社の自社ビルだ。
大学時代の友達や高校時代の友達は口を揃えて「お!良い所に就職したね~」なんて言うけど所詮は同族経営の極み。
どんなに頑張っても成れて役員レベル。魔の三年目を迎えた私は早速、会社辞めたい病にかかりかけていた。
でも辞めれない。
それは何故?──社会人としての責任感が湧いてきたから?
……いや違う。
何だかんだ言いながらも、こうやって仕事で海外に行く機会を与えられて……そして時間がない~と嘆いてしまうほど仕事が詰まっているこの環境が好きなんだ。
こういう環境に居るからこそ、私は過去のあのページを開かないで済む。忘れたい、あのページを……。
「アニョハセヨ~」
「ハセヨ~ハセヨ~アニョハセヨ~」
と全くもって意味のないバカらしい挨拶を綺麗な女性達に返してからエレベーターに乗り込んだ。
さすがはアパレル会社。
皆スーツひとつを取ってもお洒落にしていた。