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シャネルを着た悪魔
第7章 ☆CHANEL NO7☆
テヒョンの捨て台詞が聞いたようだった。
数秒ほど固まってから我に返ったウンサン君は、カーテンの向こう側にいる私達に噛みついて来ようとしていたみたいだけど黙ってそれを見ていた警備員さんに止められている。
三階は──本当に、ある意味『隔離』されてるワケだ。こちらから望まないと誰も入れない。
「オンニ!大丈夫だった?」
上に着くなり、テヒョンの腕を強引にほどいて自分の白く細い腕の中に私を閉じ込めるティー。
テヒョンは何とも言えない顔をしていた。韓国で何度も見た"例の苦笑い"だ。
「大丈夫、大丈夫。それより何で下で揉めてた事知ってるの?」
「おめえの声が聞こえてきた──と言いたいところだけど、丁度こっちでも話してたんだよ。一つ下に『悪名高い男』が来てるってな」
私にお茶を差し出した彼は、慣れない炭酸で酔っぱらってることを理解しているのだろう。
犯罪者心理を持つ男のくせに、こういう所は優しいんだから、振り回されてばかりの私だ。