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シャネルを着た悪魔
第7章 ☆CHANEL NO7☆
ティーは本当に嫌いそうな顔をしている。やっぱり……かなり有名な人に喧嘩を売られて、私はそれを買ってしまったみたいだ。

「で、スンが心配して様子見にいったらおめえが喧嘩してるから俺を呼びにきたわけだ」

「ははっ、アンタも保護者ね。」


「じゃじゃ馬だからな、せめて手綱持つ人間がヤバイ時は止めないとダメだろ。じゃねえと今の感じだとレイプされても可笑しくなかったぞ」

──まあ、レイプは言い過ぎだろう。干渉しないとか一丁前に色々言ってた彼だけど実際は帝国の力を使って側に置かせる位は私に惚れてる。

心配で仕方なかったんだと思う。


「でもヌナのあれ格好良かった!」

「『自分の力で稼いだ事もないガキが偉そうな口ぶりで、周りの女に媚売られて鼻の下伸ばしてんじゃないわよ』っていうの──。」


「なんかティーも色々な男性見てきたし、あの言葉は本当に納得しちゃった」

まだ抱き締めて離してくれない可愛い妹が、興奮気味にそう言った。


「確かに!やっぱりテヒョンさんの親戚だけあって、威勢も違いますね!」

……こっちもかなり酔ってるようだ。

褒められてるのか、女性らしさが無いと貶されてるのか──どっちか分からない私はお茶を飲みながらティーの頭を撫でた。

でも、誰一人差別精神を前に出さないし純粋に酔っぱらって、純粋に楽しんでいるこの空間。

こういう空間は──嫌いじゃない。
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