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シャネルを着た悪魔
第7章 ☆CHANEL NO7☆
「お前は明日どっか行くのか?」
「わかんない。起きる時間によるし、その時の二日酔い具合にもよる。シャンパンだから二日酔いなる可能性有るし……」
「薬飲んで寝ろよ」
「うん。」
ソファーに移動してきたテヒョンは、あの晩の様にグラグラしている私の頭を優しく持って自分の膝の上に乗せた。
「化粧落とすって約束だから」
「ああ、言ってたわね。じゃあよろしく」
「寝るのか?」
「うん。」
「──待って」
「何?」
「明日、付いてきてほしい場所が有る」
「なあによ、またシャネル?」
いや今度はプラダか?彼がプラダを着ると本当の『プラダを着た悪魔』になってしまう。今はまだシャネルだから──あの映画と被ってないけどさ。
「違う。ソウルタワーとカンナム百貨店」
「ソウルタワーもショッピングモールなんでしょ?確かプサンにもなかったっけ」
「そう。この二つは韓国国内に合わせて13個のモールを持ってる」
「何しに行くの?両方、いわば『本店』なワケでしょ。私、しばらく服も要らないけど」
「ちょっと、悪戯しに行く」
「……悪戯、ねえ」
目はもう開かなかった。
必死に睡魔と戦ってウトウトしているこの瞬間が一番気持ち良いのは人間誰しも同じだろう。
「適当に起こすから。それまでは爆睡しといてくれ」
「はあい。」
彼の優しい言葉を最後に──私は深い眠りに落ちたのだった。